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虫歯について
冷たいものや甘いものを飲んだり食べたりした際、ピリッと歯がしみることで気がつく方が多いです。虫歯は、鏡で見ても見えにくい奥歯にあったり、表面上は分からないような小さな穴ですので、心配なことがある場合は早めに検査を受けましょう。
温かいものでもしみるようになったり、しみる時間が長くなったり、虫歯の穴が目で見てすぐに分かるような場合は、虫歯がかなり進行していると考えられるため、歯の神経を取らないといけないことがあります。治療も長引き、費用も余計にかかってしまいます。そうならないためにも早期発見・早期治療が重要となります。
問題がない時こそ定期検診を受けるようにしましょう。
どうして虫歯になるの
食事をする口腔内のpHは下がります。間食が多いと常にpHは下がったままになるので口腔内は酸性に傾き、虫歯になり易くなります。規則正しい食生活は、実は虫歯予防の第一歩です。
上のグラフは歯に付いているプラーク(歯垢)のpHを示すものです。
朝食・昼食・夕食時に大きくグラフが下がっていることが分かります。
これは歯垢中の細菌が糖をエネルギー源として、強い酸を生み出すことでプラーク中のpHが下がるためです。歯の表面にある人体の中で「硬い」と言われるエナメル質は、pH=約5.5で溶け始めます。この状態を脱灰、この時のpHを臨界pHと呼びます。
食事をした後20~30分程度で、脱灰された歯の表面が修復される再石灰化が、唾液の作用により行われます。
歯の表面では脱灰と再石灰化が常に繰り返されています。
脱灰の速さが再石灰化の速さより早ければ、虫歯になります。
脱灰の速さが再石灰化の速さより遅ければ、虫歯は防げます。
その意味でダラダラと間食をすることは避けること、食事の後はよく口をゆすぐこと、歯磨きでプラークと細菌の総量を減らしておくことが大切です。また、歯磨きは再石灰化を効率良く引き出すため、食後20~30分してから行うことがおすすめです。
虫歯にならないためには
1.食事後(できれば20~30分後)に歯磨きをしてプラーク(歯垢)の量を減らす
2.規則正しい食生活をする
3.間食(特に糖分を多く含む・粘着性のもの・酸性のもの)をなるべく控える
4.自分の口の中に関心を持ち、定期検診に行く(できれば3ヶ月~半年毎)
5.クリニックで正しい歯の磨き方を知り、歯石・プラークを落とし、虫歯予防のフッ素を塗布してもらう
虫歯になりやすい場所
歯には虫歯になりやすい場所があります。別の表現をすれば、プラーク(歯垢)が残りやすい場所とも言えます。
(1)歯のかむ面にある溝…小窩裂溝
(2)歯と歯の間…歯間隣接面
(3)歯と歯肉(歯ぐき)の境目…歯頚部
(1)・(2)・(3)は「虫歯の三大好発部位」と呼ばれています。
(1)・(3)は肉眼で比較的容易に見つけることができますが、(2)の「歯と歯の間」にできた虫歯は、肉眼上分かりにくく、レントゲンにより見つかるケースも多いです。
虫歯の進行度
虫歯は進行度によりCO・C1・C2・C3・C4に分類されています。
CO
特徴 | 歯のかむ面(咬合面)の複雑な溝に着色が見られるようになります。歯の表面が脱灰され始めると、本来の透明感を失い白亜色(チョークのような白)になり表面が粗造になってきます。予防処置により虫歯の進行を止められるのはこの段階までです。 |
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症状 | 痛みはありません。 |
治療 | 歯は削らず、予防処置、歯みがき指導を行った後、経過観察を行います。 |
C1
特徴 | 歯の表面が脱灰され、虫歯になった状態です。エナメル質に限られた虫歯ですが、歯には小さな穴があいており虫歯であることは簡単に分かります。 |
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症状 | 痛みはありません。冷たい物を食べたり飲んだりすることで、たまにしみることがありますが、軽度です。 |
治療 | 歯を削って治療する必要があります。エナメル質に限られた虫歯であるため麻酔の必要はほとんどありません。通常、歯と同じ色をしたプラスチックを詰めることができるので治療痕もほとんど分からなくなります。治療も1回で終わります。 |
C2
特徴 | 虫歯が進行してエナメル質を越えて象牙質まで達した状態です。 |
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症状 | 甘い食べ物、冷たい食べ物や飲み物がしみて、時間の経過とともにしみている時間が長くなり、強くしみるようになります。 |
治療 | 虫歯の大きさによっては、大きな詰め物にしなければならないこともあります。また、虫歯が深く歯髄(神経)に近接している場合は、痛みが出ないか様子をみることもあります。痛みが出た場合は、歯髄(神経)を取り除くことになります。 |
C3
特徴 | 虫歯が歯髄(神経)付近まで進行し、歯髄の一部が感染を起こした状態です。 |
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症状 | 甘い物、温かい物、冷たい物で強くしみるようになります。急性症状により歯がズキズキしてきます。 |
治療 | 神経の一部が感染しているため、歯髄を取り除く必要があります。感染した神経(歯髄)を取り除き、歯の中を消毒してお薬を詰めます。歯の中の消毒には時間を要するため治療回数が増えます。 |
C4
特徴 | 虫歯が歯の上の部分(歯冠部)を崩壊させ、歯肉の下の部分(歯根部)まで進み、感染により歯髄が死んだ状態です。 |
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症状 | 歯はほとんど崩壊し、歯髄も死んでしまうため、当初は歯自体の痛みがでなくなります。しかし、根の先端に膿ができてしまうこともあり、この場合は噛むと痛み強い痛みを生じたり、さらに顎に炎症が波及し、顔面が腫れてしまったりします。 |
治療 | ここまで進行してしまうと残念ながら抜歯を選択せざるを得ないことが殆どです。急性症状があれば、まずはその解消に全力を尽くします。 |
根尖病巣
特徴 | 虫歯は痛いのを我慢して放置しておくと痛みがなくなります。しかし、神経は感染して死んでしまうため、神経は歯の中で腐敗します。感染は歯の奥の方へ進行しやがて根の先端に膿の袋ができてしまいます。 生体は膿を体外に排出しようとする作用があるため、歯肉(歯ぐき)にも膿の袋ができあがり、口腔内へ膿が出てくることがあります。膿が出てくると口臭となるため、早めの治療が必要です。 |
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