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歯の構造と歯を支える組織
左の模式図は歯の構造を示したものです。子供の歯(乳歯)も大人の歯(永久歯)も基本的な構造に変わりはありません。
子供の歯は、大人の歯に比べて外側のエナメル質も象牙質も薄く、逆に内部にある歯髄の割合が大きいことが特徴です。そのため虫歯の進行が早く、痛みも早期にでやすいです。
また歯根は大人の歯に比べて大きく開いています。
エナメル質 | 硬く、歯の表層にある部分。下層にある象牙質に支えられている。 |
---|---|
象牙質 | 歯の大部分を占め、比較的柔らかく虫歯が進行しやすい部分。露出すると知覚過敏が起きやすい。 |
歯髄 | 歯の神経や血管に満たされた部分。虫歯がここまで進むと歯髄を取り除かなければならない。 |
歯肉 | 歯を支える骨を覆い、健康な場合ピンク色をした粘膜。いわゆる歯ぐき。 |
セメント質 | 歯根の部分の象牙質を覆う硬い部分。 |
歯根膜 | セメント質と歯槽骨の間にある繊維(靭帯)で、クッションの役割をする。 |
歯槽骨 | 歯を支える骨。歯周病が進むとこの骨が溶け出して、歯がぐらぐらし始める。 |
乳歯と永久歯
乳歯
乳歯は上下顎に10本ずつ、全部で20本あります。正式名称は以下の通りです。
歯の名称 | 生えてくる時期 | 抜け落ちる時期 |
---|---|---|
A:乳切歯 | 約9か月 ±2か月 | 6~7歳 |
B:乳側切歯 | 約11か月 ±2か月 | 7~8歳 |
C:乳犬歯 | 約18か月 ±2か月 | 9~12歳 |
D:第一乳臼歯 | 約16か月 ±2か月 | 9~11歳 |
E:第二乳臼歯 | 約28か月 ±3か月 | 10~12歳 |
個人差がかなりあります。また生えてくる順番も同様です。院長は川崎市の1歳6か月児および3歳児健診担当医です。お子さんの歯の生え方でご心配な場合は相談ください。
永久歯
永久歯は親知らずを含めると上下顎16本ずつ、全部で32本ありますが、親知らずの本数により28~32本となります。
歯の名称 | 生えてくる時期 |
---|---|
1:中切歯 | 7~9歳 |
2:側切歯 | 8~10歳 |
3:犬歯 | 10~12歳 |
4:第一小臼歯 | 9~11歳 |
5:第二小臼歯 | 11~13歳 |
6:第一大臼歯 | 6~7歳 |
7:第二大臼歯 | 12~14歳 |
8:第三大臼歯(智歯・親知らず) | 18~22歳 |
個人差がかなりあります。また生えてくる順番も同様です。親知らずは一部あるいは生えてこない方もいます。
上顎骨と下顎骨
口を構成している主な骨は、上顎骨(じょうがくこつ)と下顎骨(かがくこつ)です。この2つの骨は耳の少し手前にある顎関節(がくかんせつ)を介して接しており、この顎関節により開閉口が可能となります。
それぞれの骨を少し詳しく見ていくことにしましょう。(骨の画像はすべてプラスチックモデルです。)
下顎骨を斜め上から見たところです。下顎骨は大きく曲った骨ですが、皮質骨という丈夫な骨の割合が多く、四肢の骨と同等の強さがあります。また、骨の中には骨髄もあります。生体の中でも複雑構造である顎関節が、下顎骨の回転・滑走・側方運動を可能にしています。
顎の部位を拡大して見たところです。④はオトガイ孔と呼ばれ、顎の中を下歯槽神経という、主に頬から顎の知覚を司る神経の出口があります。骨がしっかり歯を支えている様子も分かります。歯周病になるとこの骨が失われ、歯がぐらぐらします。
斜め後ろから下顎骨を見たところです。⑤は下顎孔と呼ばれ、下歯槽神経が骨の中に入る入口で、出口は④のオトガイ孔です。この下歯槽神経は智歯を抜歯する場合、インプラントを埋入する場合に位置関係が非常に重要となります。⑥は顎関節を構成する下顎頭と呼ばる部位で、名の通り下顎骨で一番高い位置にあります。